北海道発明協会会長賞
馬鈴薯緑化防止用照明装置(特許第6289569号)
【北海道発明協会】
原田 和夫 |
北海道電力株式会社 総合研究所 環境技術グループ 主幹 |
本発明は、明るい作業環境下でも馬鈴薯の緑化を防止できる馬鈴薯貯蔵庫の照明技術に関するものである。
馬鈴薯は蛍光灯等の弱い光でも容易に緑化し、食中毒の原因物質が増加するため、従来、貯蔵庫内の照明には緑色蛍光灯が用いられてきたが、照度が低く緑化も起こることから作業面や品質面で課題となっていた。本発明では、単独照射では緑化を起こさない遠赤色光を、白色光や青色光、赤色光等の緑化誘導光と併用することにより、これらの緑化誘導光による緑化を抑制し、中毒の原因物質であるソラニン等が増加しないことを見出した。さらに、より高い緑化抑制効果を得るため、緑化誘導光の消灯後も遠赤色光を単独照射することによって緑化抑制効果が大幅に向上することを明らかにした。
本発明により、明るい環境下で作業できるようになるため、作業効率が向上し、年間の作業時間を1ヶ月程度短縮することが可能となった。また、照明の電力量を約1/8に低減するとともに、緑化個体が無くなるため、廃棄のための分別作業が不要となった。馬鈴薯生産量の8割を占める北海道を中心に、廃棄量の低減や食の安全、作業環境の改善等に貢献している。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved