近畿経済産業局長賞
キャタライザー型脱墨剤(特許第6713299号)
【福井県発明協会】
田中 多加志 |
日華化学株式会社 化学品部門 界面科学研究所 商品開発研究部 機能化学品開発グループ 主席 |
吉田 武司 |
日華化学株式会社 化学品部門 界面科学研究所 商品開発研究部 部長 |
実 施 功 績 賞
江守 康昌 |
日華化学株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、再生パルプの品質を向上させる技術に関し、「界面科学技術」と「触媒科学技術」との融合により開発され、UV硬化型インク印刷物に対して優れた効果を示す脱墨剤に関するものである。該インク印刷物は、従来、古紙再生において脱墨が困難で再生利用されずに分別されていたが、リサイクルやSDGsの観点から再生利用が望まれていた。
本発明の脱墨剤は、特定の構造を有する両親媒性の第四級アンモニウム塩を含み、脱墨浴槽にて固体相(インク相)と液体相(水相)との行き来を繰り返すことで触媒として機能し(図1)、UV硬化型インクの主成分であるポリマーのエステル結合を効率的に加水分解する。本脱墨剤の触媒作用とインク剥離作用により、該インクの微細化を劇的に向上させることができ、禁忌物である該インクを含むパルプの再生を実現させた(図2)。
本発明は、UV硬化型インクを含む古紙再生を実現可能とし、さらに古紙分別工程の低減、漂白剤使用量の大幅削減、古紙再生コストとエネルギーの低減にも貢献している。
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