特許庁長官賞
ガスタービンの燃焼振動減衰装置(特許第5291790号)
【兵庫県発明協会】
中村 聡介 |
三菱重工業株式会社 エナジートランジション&パワー事業本部 GTCC事業部 ガスタービン技術部 ガスタービン燃焼器グループ グループ長 |
木下 泰希 |
三菱重工業株式会社 エナジートランジション&パワー事業本部 GTCC事業部 ガスタービン技術部 ガスタービン燃焼器グループ 上席主任 |
小野 正樹 |
三菱重工業株式会社 総合研究所 振動研究部 振動第三研究室 主席研究員 |
松山 敬介 |
三菱重工業株式会社 総合研究所 機械研究部 部長 |
谷口 健太 |
三菱重工業株式会社 エナジートランジション&パワー事業本部 GTCC事業部 ガスタービン技術部 ガスタービン燃焼器構造設計グループ 主任 |
実 施 功 績 賞
泉澤 清次 |
三菱重工業株式会社 取締役社長 CEO |
本発明は発電用ガスタービンの燃焼器に関するものであり、特に燃焼振動の減衰機構である音響ダンパに係るものである。
ガスタービンを用いた火力発電は、従来型よりも二酸化炭素排出量が大幅に少ないが、近年は地球温暖化防止のため更なる高効率化が求められている。排気ガスを清浄に保ちつつ高効率化するためにガスタービン燃焼器では予混合燃焼方式が用いられるが、この方式は燃焼振動という火炎の不安定現象を生じやすい。これを抑制するために燃焼器の壁面に設けた多孔板と共鳴空間とにより燃焼振動を減衰させる構造(音響ダンパ)を設けることが知られているが、従来の配置では十分な大きさの共鳴空間を確保するためにコストやメンテナンス性の悪化を招いていた。本発明はこの課題を「共鳴空間を折り返す」というシンプルな構成により解決した。
これにより、コストアップを防ぎつつ必要な減衰能力を持つ音響ダンパを配置でき、高効率で信頼性が高くメンテナンス性も良いガスタービンを市場に供することが可能となった。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved