日本弁理士会会長賞
省エネ効果が高い船首バルブ付き船舶(特許第6169143号)
【北海道発明協会】
運上 賢逸 |
運上船舶工業有限会社 代表取締役 |
本発明は、特に波浪の影響を受けやすい小型の船舶に対し、航行時に船首に受ける抵抗や衝撃を軽減する装置に関するものである。
小型船においてもバルブ(球状船首)の効果は広く知られている。しかしながら、波浪の影響を受けやすい小型の船舶においては、船首が比較的太っていることが多く、バルブが水没した際には急激な抵抗の増加と衝撃が加わる。本発明は、バルブの上部に受ける波をスムーズに後方へ分散し、抵抗と衝撃を軽減することで、高い省エネ効果を得ることができる。また、本発明の装置は、規定のトン数や容積を変更することなく、船舶の先端部に取り付けることが可能である。
本発明は、積載量が多く、航行距離の長いサンマやマグロ漁船に特に効果が大きく、サンマ漁船では5%程度の省エネ効果が確認されている。また、本発明の船首バルブを取り付けた船舶では、船首部の破損や修繕がほとんど無くなったことから、衝撃の軽減により乗り心地の改善や船体維持費の軽減にも繋がっていることが考えられる。
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