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令和4年度中部地方発明表彰

発明協会会長賞

スクロール型圧縮機の背圧調整機構(特許第5201113号)

【愛知県発明協会】

伊藤 達也

株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部
技術部 開発第三室 第35グループ グループ長

水藤 健

株式会社豊田自動織機 経営役員

福谷 義一

株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部
技術部 開発第三室 室長

実 施 功 績 賞

大西 朗

株式会社豊田自動織機 取締役社長

 本発明は、電動車向けカーエアコンの心臓部を担うスクロール型電動圧縮機において、圧縮動作に不可欠な可動側スクロールの背圧力をシンプルな構造で自動自律的に最適化することで、圧縮効率の向上と低コストの両立を実現する背圧調整機構に関するものである。
 本発明では、可動側スクロールに背面と渦巻壁の先端を連通する連通孔を設けることで、圧縮室と背圧空間とを連通可能にする。背圧力が不足する場合、圧縮力により渦巻壁の先端は固定側スクロールから離れ連通孔が開口するため、背圧空間は圧縮力に対抗できる程度に加圧される。背圧力が十分の場合、逆に連通孔は閉鎖するため、高摩擦による機械損失を効果的に防止する。このように、開閉機構としてスクロール自身の軸方向移動を利用した弁機構(スラストバルブ)を採用した。
 本発明の背圧調整機構が適用されたスクロール型電動圧縮機は、多くの電動車に搭載され、燃費(電費)改善に伴う航続距離延長、排出ガス低減によるCO2の削減等に貢献している。

スクロール型圧縮機とスラストバルブ

スクロール型圧縮機とスラストバルブ

スラストバルブの背圧挙動

スラストバルブの背圧挙動

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