令和3年度地方発明表彰 受賞一覧 >>令和3年度九州地方発明表彰受賞者一覧 >> 九州経済産業局長賞

令和3年度九州地方発明表彰

九州経済産業局長賞

蒸留酒の製造方法(特許第6562235号)

[鹿児島県発明協会]

八木 健太郎

農業法人八千代伝酒造株式会社 代表取締役社長


 本発明は、自社栽培サツマイモを収穫後、一定条件下で2カ月間吊るして糖化させ、高糖度サツマイモ「つるし芋」を作り、そのつるし芋及び抽出される「芋の蜜」を使用した新規芋焼酎製造法に関するものである。
 本発明の製造方法は、①サツマイモが蔓に繋がった状態で収穫して運搬する収穫、運搬工程、②蔓を利用して吊るし、送風を満遍なく届かせて腐敗率を下げる吊るし工程、③高糖度サツマイモを一定条件で蒸して蜜を生成する蒸し工程、④蜜により密着したサツマイモ集合体に対して冷却筒により送風する冷却工程、に分類される。これにより従来の芋焼酎と比べて、甘い香味成分のダマセノンが7倍、バラ様香味成分のローズオキサイドが1.2倍、果実様香味成分の脂肪酸エチルエステルが14倍生成され、蜜の甘みを感じ取ることができる。
 本発明により、芋焼酎の新規市場を開拓し需要を創出している。また、WSET(英国、世界最大のワイン教育機関)やクラマスター(フランスの日本酒コンクール)からも視察があり注目を集めている。フランスでの第1回本格焼酎・泡盛コンクール(クラマスター主催)では最高賞であるプラチナ賞を受賞するなど、今後の海外市場の開拓も期待される。

吊るし工程

冷却筒及び冷却工程

冷却筒及び冷却工程

Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved