発明協会会長賞
操作性の容易な焙煎装置及び方法(特許第6776135号)
【宮崎県発明協会】
瀬川 幸三郎 |
株式会社ドライアップジャパン 会長 |
瀬川 幸継 |
株式会社ドライアップジャパン 代表取締役社長 |
高嶋 和彦 |
宮崎県総合農業試験場 茶業支場 栽培加工科 科長 |
本発明は、傾斜回転円筒構造に遠赤外線と熱風の特性を併用することで、自動で安定した品質の焙煎を可能とする、新しい焙煎装置及び方法に関するものである。茶の焙煎技術において、既存の焙煎装置では茶葉温度の制御が困難なため、熟練した経験を必要としていた。
本発明の焙煎装置は、茶葉を所定の温度まで加熱する方法として遠赤外線を照射し、所定温度まで上昇した後は、熱風で雰囲気温度を所定の温度に維持して、焙煎加工を行う。遠赤外線は茶葉の表面だけを加熱させるため、円筒内部に茶葉を反転させる工夫をした。熱風で所定の温度に維持する際には、風速が早いと、茶葉表面から香りの成分が揮散してしまうため、装置からの放熱に相当する熱量を補充する 程度に抑制して供給している。
茶葉の焙煎加工を茶葉表面の「風速、温度及び濃度境界層問題」として捉え、その最適解を具現化した取り組みである。本発明は、既存の焙煎装置では実現できなかった茶葉温度を数値的に管理することで、目的に応じた焙煎品質に仕上げることが可能となり、茶葉の価値を高め、それによる茶生産農家の所得向上(6次産業化)に貢献している。
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