文部科学大臣賞

金属化フィルムコンデンサ（特許第5345104号）

【京都発明協会】

北島　崇雄

ニチコン草津株式会社　フィルム・装置グループ ＨＶ・小形技術課　ＨＶ技術係　主任

実 施 功 績 賞

吉田　茂雄

ニチコン株式会社　代表取締役社長

　　　

　本発明は、誘電体フィルムに金属蒸着層を電極として形成した金属化フィルムコンデンサにおいて、誘電体フィルム上への均質な金属蒸着層の形成と、金属化フィルムの巻取り性の向上とを両立させることを可能とする技術に関するものである。
　本発明は、誘電体フィルム表面に金属蒸着層が形成される蒸着部と、蒸着部に隣接するマージン部（電極を形成しない非蒸着部）とを有する金属化フィルムコンデンサにおいて、マージン部をオイル蒸着とオイル印刷により形成する。オイル蒸着によりマージン部中央のオイル厚みを厚くし、マージン部の縁に沿ってオイル印刷することにより、マージン部との境界部分における金属蒸着層の傾斜を急峻にすることができる。
　本発明により、オイル量の低減を図りながらマージン境界部金属蒸着層の酸化による消失抑制とフィルムの巻取り性の向上を実現し、金属化フィルムコンデンサの信頼性向上と製造時の歩留まり改善が可能となった。これにより、環境負荷の少ないＨＶ(Hybrid Vehicle)／ＥＶ(Electric Vehicle)の拡大に寄与している。

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