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令和3年度関東地方発明表彰

特許庁長官賞

有機ガラス管による全周囲スピーカー(意匠登録第1638713号)

【発明協会(東京)】

森澤 有人

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
デザインセンター プロダクトデザイングループ
シニアアートディレクター

実 施 功 績 賞

吉田 憲一郎

ソニーグループ株式会社 取締役 代表執行役
会長 兼 社長 CEO


 本意匠は、透明な有機ガラス管を振動させる独自の技術により、音で空間を満たすワイヤレスポータブルスピーカーに関するものである。
 本製品で採用した有機ガラス管は、高音域を再生するトゥイーター(高音用スピーカー)として機能し音が360度に広がり、聴く人の位置を特定しない音楽の楽しみを提供する。さらに、ダイニングテーブルの中心に置いても会話を遮らないように、高音質にこだわりながらもコンパクトなサイズを実現した。
 この軽やかで細い透明のガラス管の下に中音域を再生する35mmウーファー(中音用スピーカー)、その下に低音域用のパッシブラジエーター(低音用スピーカー)を配置して低重心化し、さらに本体下部には音質特性に優れた亜鉛ダイキャストを一体成型し、見た目にも安定感のある形状にした。また、 LEDをまぶし過ぎないように柔らかな間接光にし、ろうそくのように優しく揺らぐ「キャンドルライトモード」を搭載してくつろぎのひとときを演出した。
 非常事態宣言や会合自粛に伴い、同居する家族との食事や家庭内でのエンターテイメントの需要が高まるとともに、例えばソロキャンプといった小規模な屋外レジャー需要も増加している。単に音楽や音声を再生するためだけの音響製品ではなく、安心安全なステイホーム生活、あるいは静謐な自然環境さりげなく演出でき、多くの人々に受け入れられている。

有機ガラス管による全周囲スピーカー
有機ガラス管による全周囲スピーカー

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