特許庁長官賞
安全で貯蔵密度の高い水素吸蔵合金容器(特許第4180105号)
【北海道発明協会】
岩本 隆志 |
株式会社日本製鋼所 取締役常務執行役員 |
河原崎 芳徳 |
日本製鋼所M&E株式会社 室蘭製作所 TESユニット 機器製品部 担当課長 |
常盤 哲司 |
旭化成株式会社 合成ゴム技術開発部 グループ長 |
藤田 泰宏 |
旭化成株式会社 研究・開発本部 技術政策室 クリーンエネルギープロジェクト |
実 施 功 績 賞
工藤 秀尚 |
日本製鋼所M&E株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、水素を貯蔵する水素吸蔵合金(MH合金)容器に関するものであり、MH合金粉末と樹脂との複合技術を用いることにより、MH合金の膨張、微粉化による容器のひずみ上昇を抑えつつ高充填率を可能とするものである。
本発明のMH合金容器では、MH合金とシリコーン系のゲル状樹脂を複合化することにより、合金の微粉化に伴う容器内での合金粉末の移動による偏在化を防ぎ、MH合金の均一な配置を維持することができる。これにより、局所的なMH合金の密集を防止するとともに、複合化した樹脂の持つ応力吸収性と相まって、水素吸蔵時のMH合金の膨張による容器のひずみを緩和することを可能としている。
本発明により、MH合金容器の変形を考慮した充填率の上限を拡張することができ、水素貯蔵密度の大幅な向上が可能となった。また、本発明の複合技術によりMH合金の安全性が向上し、消防法における非危険物となることから幅広い用途への展開が期待できる。
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