令和2年度地方発明表彰 受賞一覧 >>令和2年度東北地方発明表彰受賞者一覧 >> 文部科学大臣賞

令和2年度東北地方発明表彰

文部科学大臣賞

フレッシュな香りが長持ちする日本酒酵母(特許第6582275号)

[秋田県発明協会]

上原 智美

秋田県総合食品研究センター 醸造試験場
酒類グループ 主任研究員

渡邉 誠衛

秋田県総合食品研究センター 企画管理室
技術支援班 専門員

橋 仁

秋田県総合食品研究センター 企画管理室
企画班 専門員

大野 剛

秋田県総合食品研究センター 醸造試験場
酒類グループ 主任研究員


 本発明は、日本酒用の酵母が生成する特定の香気成分に着目して、日本酒中の好ましくない香り(オフフレーバー)の成分や前駆物質の生成が少ない酵母の開発に関するものである。
 造りたての日本酒は果物に形容される酒質であるが、酸素、光、温度などの影響を受け徐々に変化していく。この間、リンゴ様の吟醸香として良い香り(カプロン酸エチル)が分解して、ヤギの体臭のような悪い香り(カプロン酸)が出てくることが醸造業界の長年の課題であった。
 本発明では、カプロン酸エチルは従来と同じように生成するが、カプロン酸は低減でき、さらに紹興酒のような香り(老香)が発生しにくい酵母の開発に成功した。
 本発明により、これまで課題であった日本酒の香りの変化に対して「フレッシュな香りが長持ちする日本酒」という新たなコンセプトでの商品展開を可能にした。また、世界的なコンクールにおいて本酵母を使用した純米酒が入賞するなど、海外輸出を見据えた活動の進展に寄与している。


フレッシュな香りが長持ちする日本酒酵母

Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved