文部科学大臣賞
フレッシュな香りが長持ちする日本酒酵母(特許第6582275号)
[秋田県発明協会]
上原 智美 |
秋田県総合食品研究センター 醸造試験場 酒類グループ 主任研究員 |
渡邉 誠衛 |
秋田県総合食品研究センター 企画管理室 技術支援班 専門員 |
橋 仁 |
秋田県総合食品研究センター 企画管理室 企画班 専門員 |
大野 剛 |
秋田県総合食品研究センター 醸造試験場 酒類グループ 主任研究員 |
本発明は、日本酒用の酵母が生成する特定の香気成分に着目して、日本酒中の好ましくない香り(オフフレーバー)の成分や前駆物質の生成が少ない酵母の開発に関するものである。
造りたての日本酒は果物に形容される酒質であるが、酸素、光、温度などの影響を受け徐々に変化していく。この間、リンゴ様の吟醸香として良い香り(カプロン酸エチル)が分解して、ヤギの体臭のような悪い香り(カプロン酸)が出てくることが醸造業界の長年の課題であった。
本発明では、カプロン酸エチルは従来と同じように生成するが、カプロン酸は低減でき、さらに紹興酒のような香り(老香)が発生しにくい酵母の開発に成功した。
本発明により、これまで課題であった日本酒の香りの変化に対して「フレッシュな香りが長持ちする日本酒」という新たなコンセプトでの商品展開を可能にした。また、世界的なコンクールにおいて本酵母を使用した純米酒が入賞するなど、海外輸出を見据えた活動の進展に寄与している。
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