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令和2年度近畿地方発明表彰

文部科学大臣賞

乾電池用部品へ植物由来プラスチックの利用(特許第6083024号)

【滋賀県発明協会】

宮田 陽一

新生化学工業株式会社 代表取締役社長

久保 直人

新生化学工業株式会社 市場開発研究所 課長

岡部 麻記

新生化学工業株式会社 市場開発研究所 係長


 本発明は、高容量・長寿命のアルカリ乾電池に組み込まれるガスケット部品の材料に、植物由来の樹脂を適用することに成功した技術である。
 従来のアルカリ乾電池用ガスケットには、66ナイロンまたは6・12ナイロンが使用されていた。本発明の同ガスケットは、6・10ナイロンと呼ばれる環境負荷が低い材料を主原料とし、結晶核剤などの成形助剤の改良及びガスケットの製造条件に最適な結晶構造を構築した。結晶構造を最適化したことにより高容量でも安全性が確保でき、6・10ナイロンが持っている耐アルカリ性が高寿命化を可能とした。成形加工条件の最適化によって生産性を向上させることもできた。
 現在、国内工場及びタイ現地法人において本特許を活用したアルカリ乾電池用ガスケットを製造しており、高容量の10年保証のアルカリ乾電池として、日本国内だけでなく全世界へ販売されている。


アルカリ乾電池の構造図

アルカリ乾電池の構造図

本発明の6・10ナイロンの球晶(結晶)状態(右)と一般的な6・10ナイロン樹脂の球晶(結晶)状態の比較

本発明の6・10ナイロンの球晶(結晶)状態(右)と
一般的な6・10ナイロン樹脂の球晶(結晶)状態の比較

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