日本弁理士会会長賞
天然ガス輸送管用高靭性クラッド鋼板の開発(特許第3699077号)
【北海道発明協会】
新田 幸夫 |
株式会社西野製作所 顧問 |
茅野 林造 |
株式会社日本製鋼所 新事業推進本部 フォトニクス事業室長 |
櫻庭 正広 |
元 株式会社日本製鋼所 室蘭製作所 鋼材鋼管製品部鋼管Gr グループマネージャー |
近藤 茂 |
元 日本製鋼所M&E株式会社 鋼材鋼管ユニット 鋼材鋼管製造部 圧延課 シニアチーフスタッフ |
実 施 功 績 賞
岩本 隆志 |
日本製鋼所M&E株式会社 代表取締役社長長 |
本発明は、天然ガス田のラインパイプ(クラッド鋼管、図1及び図2)に使用され、ラインパイプとして要求される高強度と低温靱性、特に溶接熱影響部における優れた低温での衝撃特性を有するクラッド鋼板に関する技術である。
クラッド鋼板の母材(炭素−マンガン鋼)に添加されるチタン(Ti)や窒素(N)などの添加量を適正化して微細なチタン窒化物(TiN)を析出させることによって、溶接熱影響部の結晶粒の成長を制御して低温靭性の改善を達成した。特に溶接熱影響部に要求される衝撃値は従来の‐20℃から‐40℃に、母材に要求される落重引き裂き試験(DWTT:Drop Weight Tear Test)は従来の‐10℃から‐30℃に引き下げることに成功した。いずれも従来技術では困難であった低温での性能を飛躍的に向上させるものである。
本発明を使用したクラッド鋼管は、世界中の天然ガス田で使用されており、パイプラインの信頼性を大きく向上させ、天然ガスの採掘には欠かせない技術として、天然ガスの安定供給に大きく貢献している。
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