特許庁長官賞
相反する高強度と高加工性を備えた缶用鋼板(特許第5939368号)
【広島県発明協会】
多田 雅毅 |
JFEスチール株式会社 スチール研究所 薄板研究部 主任研究員 |
小島 克己 |
JFEコンテイナー株式会社 技術部 |
中丸 裕樹 |
JFE鋼板株式会社 鋼板研究開発部長 |
実 施 功 績 賞
北野 嘉久 |
JFEスチール株式会社 代表取締役社長(CEO) |
本発明は、缶用鋼板の規制成分内で、従来の缶用鋼板にない高強度と高加工性(伸び)を両立しうる鋼板組織と製造方法を見出し、実現した高強度高加工性缶用鋼板に関するものである。
缶用鋼板には缶運搬時のCO2排出削減のための軽量化(薄肉化)が求められている。薄くても缶の強度を維持するため鋼板の高強度化が必要であるが、耐食性の観点から添加元素は厳格に規制されている。そこで従来の缶用鋼板では、圧延により高強度化していたが、加工性が低下するという課題があった。
本発明では、規制成分内において固溶元素と微細析出物による鋼板の高強度化を制御する独自技術によって、高強度と、従来鋼にない高加工性の両立を達成したものである。
本発明は、高強度と高加工性を両立することで、スチール缶軽量化によるCO2排出削減により地球環境保全に寄与している。また、缶用鋼板の厳格な成分規制に準拠した鋼板の提供を通して、食の安全・安心に寄与している。
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