特許庁長官賞
手術中病理診断向け迅速免疫組織染色法(特許第5629850号)
[秋田県発明協会]
赤上 陽一 |
秋田県産業技術センター 所長 |
南谷 佳弘 |
秋田大学大学院 医学系研究科胸部外科学講座 教授 |
小川 純一 |
北秋田市民病院 医師 |
戸田 洋 |
秋田厚生医療センター 医師 |
加賀谷 昌美 |
秋田大学 医学系研究科 技術系スタッフ |
実 施 功 績 賞
山本 文雄 |
国立大学法人秋田大学 学長 |
本発明は、従来2時間以上を要する免疫組織染色法において、電界撹拌技術により染色処理時間を1/10に短縮させ、術中迅速免疫組織病理診断を可能とするものである。また産学官連携により写真1に示す装置を開発し、2014年に上市した。
発明した本技術は、これまで撹拌が困難とされたマイクロリットル(μL)オーダーの微量な液滴に対し非接触で変動電界を与えると、液滴は図1に示すとおり3次元的な上下運動をする。これにより、内容物同士が撹拌され接触頻度が高まり、抗原抗体反応が10倍に促進できることから、染色時間を22分で完了させる装置を開発した。また、従来の超音波振動法と比較すると、液温の上昇が少ないため、生体試料の変性や蒸散を押さえられる。
本発明により従来と比較すると、迅速性、安定性、信頼性、染色性に富む確度の高い診断ができる。また、これまで2度の手術が必要であったが、1度の手術で治療方針を決定でき、患者への負担や医療費の削減が可能となる。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved