日本弁理士会会長賞
防曇性フィルム(特許第6393597号)
【香川県発明協会】
山下 英之 |
大倉工業株式会社 合成樹脂事業部 丸亀第五工場 スパウト溶着事業準備室 担当 |
植松 章人 |
大倉工業株式会社 合成樹脂事業部 仲南工場 品質管理課 班長 |
銭瓶 昌明 |
大倉工業株式会社 合成樹脂事業部 仲南工場 製造Ⅱ課 課長 |
実 施 功 績 賞
神田 進 |
大倉工業株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、トレイに盛り付けられた食品等の被包装物をフィルムで包装するトレイ包装において、被包装物に相対するフィルムの表面が結露して被包装物が見え難くなることを防止する防曇性フィルムである。
トレイ包装に利用するフィルムは、食品等の被包装物の変色や劣化の抑制、包装時のシール性等の様々な機能が必要なため、特性が異なる樹脂を積層した多層構成となっている。特に、被包装物の視認性が重要であり、結露防止を目的としてトレイ包装時に被包装物と相対するフィルムの一方の面(内面層)に防曇剤を含んでいるが、長尺の防曇性フィルムをロール状に巻き取って保管していると、防曇剤を含む一方の面(内面層)と接触している反対側の面(外面層)に防曇剤が移行し、所望の防曇性が発揮されないという問題がある。本発明の防曇性フィルムは、内面層を結晶性ポリエチレン系重合体に防曇剤を配合した組成物から形成し、外面層を結晶性ポリプロピレン系重合体に非晶性ポリオレフィンを添加した組成物から形成することにより、内面層から外面層への防曇剤の移行を抑制するものである。
外面層に含まれる非晶性ポリオレフィンが内面層に含まれる防曇剤の移行を抑制し、ロール状に巻き取った状態で長期保管しても使用時に優れた防曇性を示す。
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