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令和元年度九州地方発明表彰

九州経済産業局長賞

高放熱絶縁シートを実現した複合粒子(特許第5887624号)

[熊本県発明協会]

大塚 高幸

株式会社オジックテクノロジーズ 技術本部 品質保証部 次長

伊原 博隆

国立大学法人熊本大学 大学院 先端科学研究部 シニア教授

永岡 昭二

熊本県産業技術センター 材料・地域資源室 研究主幹兼室長

城崎 智洋

熊本県産業技術センター 材料・地域資源室 研究主任

堀川 真希

熊本県産業技術センター 材料・地域資源室 研究主任

城代 琢磨

元 株式会社オジックテクノロジーズ 技術本部 技術部

実 施 功 績 賞

金森 秀一

株式会社オジックテクノロジーズ 代表取締役社長

原田 信志

国立大学法人熊本大学 学長


 本発明は、セルロース粒子の外周に高熱伝導性の窒化ホウ素(BN)粒子を纏ったコアシェル型複合粒子を開発し、これを高分子材料等に充填することで、少量のBN粒子で高い熱伝導性を示す絶縁性放熱シートを作製することである。
 従来の放熱シートが抱える熱伝導率と材料コストの問題解決のため、放熱性フィラーとしてコアシェル型複合粒子を用いたもので、マトリックス樹脂に充填されたコアシェル型複合粒子は、互いにセラミックス粒子で構成されたシェル同士で接触し、マトリックス樹脂中で効率的に熱伝播経路を形成するものである。作製された放熱シートは、同量のBN粒子のみを充填した放熱シートの約8倍の熱伝導率を示し、セラミックス粒子の使用量を大幅に削減できるものである。
 本発明は、放熱シートメーカーから注目され、複数の問い合わせを受け、メーカーにて本発明で作製された複合粒子を使用した放熱シートが評価され、良好な結果が確認されている。今後、さらに様々な分野への展開も期待されている。

高放熱絶縁シートを実現した複合粒子

図1 コアシェル型複合粒子の
概念図(上)とSEM画像(下)

高放熱絶縁シートを実現した複合粒子

図2 マトリックス樹脂中のコアシェル
複合粒子分散状態の概念図

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