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令和元年度九州地方発明表彰

発明協会会長賞

室温動作可能な超小型量子型赤外線センサ(特許第4086875号)

[宮崎県発明協会]

上之 康一郎

旭化成エレクトロニクス株式会社 製品開発センター
製品開発第四部

久世 直洋

旭化成株式会社 執行役員

森安 嘉貴

旭化成エレクトロニクス株式会社 研究開発センター
デバイス応用開発部

永瀬 和宏

旭化成株式会社 研究・開発本部 次世代デバイス技術開発センター
センター長

実 施 功 績 賞

本多 英司

旭化成エレクトロニクス株式会社 代表取締役社長


 本発明は、冷却機構が必要という世の中の常識を覆し、世界で初めて高感度、高速応答かつ超小型という他に類を見ない特徴を実現した非冷却の量子型赤外線センサに関するものである。
 中赤外線(波長3〜6μm)に感度を持つ量子型赤外線センサに用いる化合物半導体は、室温でも熱励起キャリアによる拡散電流が多く、従来、冷却機構による拡散電流の抑制が必要であった。本発明は、図1の化合物半導体積層構造において、光吸収層及びN層よりもバンドギャップの大きなP層を高濃度でp型ドープし、従来ノンドープであった光吸収層にもp型ドープすることによって、拡散電流となる電子・正孔の両者の移動を抑制して、冷却機構を不要とした。
 本発明は、「量子型」の特徴である高感度、高速応答に加えて、超小型化を実現し(写真参照)、二酸化炭素センサ、メタンセンサ等に用いられて、省エネルギー、地球温暖化防止等に貢献するものである。

本発明の積層構造例
従来の赤外線センサと本発明の赤外線センサ

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