中小企業庁長官賞
高音質なシンバル用高錫濃度ブロンズ合金(特許第5928624号)
【福井県発明協会】
小川 渉 |
株式会社大阪合金工業所 研究開発部 部員 |
水田 泰次 |
株式会社大阪合金工業所 代表取締役会長 |
小出 俊雄 |
株式会社小出製作所 代表取締役社長 |
筧 瑞恵 |
福井県工業技術センター 主任研究員 |
実 施 功 績 賞
水田 泰成 |
株式会社大阪合金工業所 代表取締役社長 |
本発明は、Zr添加でシンバル素材の結晶粒を微細化させることで、割れにくいシンバル素材を作製し、さらにTiやFeを添加することで音を変化させ、ジャンルに合わせたシンバル素材を可能にするものである。
シンバル(Cu-20wt%Sn)の音は複雑でスズ濃度が増えるほど高音質なシンバルになるが、硬く、組織も不均質になりやすいため割れやすくなる。他社製品との差別化を図るためSn濃度を増やし、Zrで結晶粒の微細化を図り、TiやFeを添加することで音の減衰を調整することができた。その結果、華やかな音のCu-23 wt%Sn-0.3 wt%Ti-0.02 wt%Zr、静かな音(ダーク)のCu-21 wt%Sn-0.1 wt%Zr-0.03 wt%Feと住み分けできた結果、ジャンル別・寸法別での品種も選定することが可能となった。
現在、国内の販売に加え、国内・欧米企業にサンプル出荷も進めており、加工性を上げるため、錫の濃度を低くするメーカーが多い中、音質を上げた高錫濃度シンバルの音の特徴を生かし、本発明によるシンバルの普及の拡大が期待される。
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