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令和元年度関東地方発明表彰

文部科学大臣賞

NIRSによる脳及び頭皮血液変化計測装置(特許第5567672号)

【埼玉県発明協会】

舟根 司

株式会社日立製作所 研究開発グループ
基礎研究センタ 主任研究員

敦森 洋和

株式会社日立製作所 研究開発グループ
基礎研究センタ 主任研究員

桂 卓成

株式会社NeU
クリエイションワークユニット シニアサイエンティスト

木口 雅史

株式会社日立製作所 研究開発グループ
基礎研究センタ

高寺 毅

株式会社小野測器 開発室 係長

藤原 倫行

株式会社日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット
診断システム事業部 担当部長

実 施 功 績 賞

東原 敏昭

株式会社日立製作所 執行役社長兼CEO

 本発明は、ヒトの脳機能を計測するための近赤外分光法(NIRS: near-infrared spectroscopy)において、計測された信号(NIRS信号)から、脳の血液変化に由来する脳血流信号を抽出する光脳機能計測装置(図1)に関する発明である。
 NIRSでは、送光器から頭皮に光を照射し、脳の表層を通過した光を頭皮上の受光器で検出するため、検出されたNIRS信号には、脳血流信号の他に、頭皮の血液変化に由来する頭皮血流信号が含まれノイズとなる場合がある。本発明では、送光器と受光器の距離を所定距離(Xi)より増加させていくと、頭皮血流信号はほぼ一定であるが、脳血流信号はゼロから線形的に増加することを利用して、複数の距離で計測したNIRS信号から脳血流信号を抽出する(図2)。
 光脳機能計測装置は、特に脳神経外科や精神科等で活用されている。本発明により、脳血流信号から疾患の症状を反映する脳機能をより高精度に解析できるため、診断の補助や検査、リハビリでの活用の拡大が期待できる。
*医療機器一般的名称:機能検査オキシメータ


図1 光脳機能計測装置

図1 光脳機能計測装置

 図2 脳血流信号の抽出方法

図2 脳血流信号の抽出方法

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