北海道発明協会会長賞

農業用散布機のスパウトに取り付ける拡散具（意匠登録第1424873号）

【北海道発明協会】

濱中　誠	株式会社ＩＨＩアグリテック　品質保証部品質保証千歳グループ　スタッフ
郷野　善徳	北海道美唄市　農業（主業農家）
宮西　広樹	上海世達爾現代農機有限公司　技術研究部　部長助理

　本意匠は、農業用散布機(ブロードキャスタ)の散布筒(スパウト)先端に取り付けて使用する肥料拡散具である。肥料、薬剤、種子等の粒状、砂状、粉状の被散布物を収容する漏斗状のホッパと、そのホッパから落下する散布物を受けて左右に揺動しながら放擲散布する散布筒(スパウト)を備え付けた農業用散布機に使用するものである。
　前述した肥料等を扇状に散布するために散布筒(スパウト)の先端に配置されたそれぞれの開口部分は、近・中・遠距離へ放擲する役割がある。従来の散布筒(スパウト)の遠距離への放擲性能を向上させるため、先端形状が肥料の飛ぶ軌跡にどの様に影響するかを高速度カメラにより撮影し、本意匠形状の創作に至った。
　「ブロードキャスタで効率良く化成肥料を均一に散布したい」との精密散布の要望が農家よりあり、農業用散布機の散布筒(スパウト)先端へ本意匠を取り付けることにより散布筒(スパウト)の中を先端までたどり着いた肥料が本意匠品へ均一に当り、上方へ放物線の軌跡を描きながら放擲散布される。この最適な形状により前述した肥料等を圃場へ均一に拡散させることが可能となった。