中国経済産業局長賞
高彩度カラーの発色技術(特許第6255658号)
【広島県発明協会】
久保田 寛 |
マツダ株式会社 技術研究所 上席研究員 |
中野 さくら |
マツダ株式会社 技術研究所 研究員 |
実 施 功 績 賞
丸本 明 |
マツダ株式会社 代表取締役社長兼CEO |
本発明は、赤色のボディカラーにおいて、従来は熟練職人が手作業で何度も塗り重ねることで実現せざるを得なかった非常にエモーショナルな「赤」の発色を、多くの量産車に適用可能な通常の塗膜構成で実現したものである。
本発明は、メタリックベース層とカラークリヤ層を有する積層塗膜(図1)において、塗膜の分光反射率に着目し、従来にない高い質感を実現した。具体的には、メタリックベース層の赤系色のハイライト反射率を、赤系色外の波長域の反射率に対し60倍以上に設定することで高彩度化と緻密感を実現した。また、メタリックベース層の赤系色のハイライトとシェードの反射率差を90%以上にし、カラークリヤ層の赤系色外のハイライト反射率を抑制することで、陰影感・深みを実現すると共に発色のシャープさも実現した(図2)。
『ソウルレッドプレミアムメタリック』とそれをベースとした『ソウルレッドクリスタルメタリック』は、本発明により「カラーも造形の一部」という思想の下、デザインテーマ『魂動』デザインのダイナミックかつ繊細な面構成を際立たせるカラーとして多くの量産車に採用されている。
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