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平成30年度東北地方発明表彰

中小企業庁長官賞

高濃度炭酸水素イオン泉製造装置(特許第5826421号)

[岩手県発明協会]

瀬川 純市郎

株式会社ジェ・スク 代表取締役


 本発明は、水(又は温水)に炭酸ガス(CO2)を高効率に溶解させるための気体溶解器、及びこれを用いた高濃度炭酸泉製造装置に関するものである。従来、炭酸泉(炭酸水)の生成能力や気液溶解の処理量の低下があり、医療における治療用機器として効果が望めなかった。

 本発明に当たり発明者は、溶解器内部の微細構造により多方向に多重に積層する中を流れる気体と液体が、拡散と集中の過程で圧力特性が変化することに着目した。本発明の構成は、液体と気体の流路方向に垂直な反射気体を検出し、また異なる検出角度をもった複数の気体を検出し、内部での圧力に加え拡散速度と流量を区分し検出する。これらの特性値を用いてアルゴリズムで定量化することで、様々な液体流量及び気体流量、液体圧力及び気体圧力、拡散速度の違いによるガス消費量の増加や溶解効率の低下を防ぎ、今までにない高濃度炭酸水素イオン泉を安定的に無電源で瞬間生成出来る手段を提供することを実現した。

 現在、日本有数の医療法人で、本技術を採用した装置が使用され、高濃度人工炭酸泉治療(足の血流障害の改善や閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療)が行われている。高濃度人工炭酸泉の足浴(フットケア)を行う事で、重度の状態であっても、救肢率(重症状態から足を切断せずに日常生活に障害のない状態に戻す割合)83.1%と非常に高い割合で救済できるようになっている。この新たな治療方法は、国内外の医療分野から高い評価を受けている。


高濃度炭酸水素イオン泉製造装置
高濃度炭酸水素イオン泉製造装置

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