日本弁理士会会長賞
チカラシバ植生シート(特許第5007368号)
[福島県発明協会]
赤井田 貴之 |
赤井田造園土木株式会社 代表取締役 |
森 耕一 |
赤井田造園土木株式会社 取締役営業部長 |
本発明は、長い種子毛とカギ針付殻で覆われた在来イネ科植物であるチカラシバから、発芽機能を損なわずに種子を取り出し、土木工事用の植生シートなどに加工する技術である。
道路斜面などの緑化には早期緑化を図るため外来緑化植物が多く使われてきた。しかし外来生物法によって一部の外来緑化植物に対し使用禁止の通達が出され、さらに(外国産)在来種子は遺伝子撹乱が起きるとの指摘を受けたことで、生態系保全の観点から問題視されていった。そこで日本固有種について調査し、有史前から日本に生息するといわれているチカラシバに着目したが、従来の手法では種子の発芽機能を壊さずに殻を処理することができなかった。何とか殻から種子を取り出せないかと試行錯誤した結果、種子毛を硬化させて殻から種子を取り出す加工種子の製造方法を確立することに成功した。
これまで流通していなかったチカラシバを、在来緑化植物として植生シートや植生マットに加工することで自社製品として販売できるようになった。また、東日本大震災後の防災工事にも採用され、福島県の復興にも貢献することができた。
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