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平成30年度九州地方発明表彰

文部科学大臣賞

高成形性・高流動性結晶セルロース(特許第5240822号)

[宮崎県発明協会]

大生 和博

有限会社メディカルケア小川

天川 英樹

旭化成株式会社 製造統括本部 川崎製造所
アクリル樹脂製造部 品質管理課 課長

伊吹 一郎

旭化成ファインケム株式会社 取締役会長

実 施 功 績 賞

小堀 秀毅

旭化成株式会社 代表取締役社長


 本発明は、医薬品や健康食品の賦形剤として用いられる結晶セルロース(MCC)の高機能化技術に関するものである。
 MCCの成形性を高める従来技術として、粒子を細長くする(粒子L/Dを高める)ことは知られていたが、従来技術では成形性と流動性がトレードオフの関係にあった。それに対し発明者らは、MCC粒子を多孔質化することにより、丸く流動性のある粒子でも成形性が高められることを見出し、高成形性、高流動性及び崩壊性を兼ね備えたMCC(UFグレード)の開発に成功した。
 本発明のMCCは、一次粒子が高いL/Dを有するため成形性が高い。また、細長い一次粒子が相互に絡み合うことで、糸鞠状に凝集し、粒子が球形になるため、流動性に優れる。更に、一次粒子間に水が浸透するための適度な大きさの空隙を有するため、膨潤度が高く、崩壊性にも優れる。
 高成形性と高流動性を両立し崩壊性にも優れるUFグレードは、医薬や健康食品の分野において、他社MCCでは解決困難な様々な課題(打錠障害、原薬偏析など)を解決することを通じ、社会に貢献している。

高成形性・高流動性結晶セルロース
高成形性・高流動性結晶セルロース

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