文部科学大臣賞
オーバーレイ計測方法および計測装置(特許第5640027号)
【発明協会(東京)】
原田 実 |
株式会社日立製作所 研究開発グループ 生産イノベーションセンタ 検査・計測研究部 研究員 |
中垣 亮 |
株式会社日立製作所 研究開発グループ 生産イノベーションセンタ センタ長 |
福永 文彦 |
株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子デバイスシステム事業統括本部 評価システム製品本部 評価ソフトウェア設計部 主任技師 |
高木 裕治 |
株式会社日立製作所 研究開発グループ 生産イノベーションセンタ 検査・計測研究部 主任研究員 |
実 施 功 績 賞
宮ア 正啓 |
株式会社日立ハイテクノロジーズ 代表取締役 執行役社長 |
本発明は、半導体の製造工程で生じるオーバーレイ(層間の重ね合わせずれ)を画像計測処理技術により、サブナノメートル(nm)精度で計測する装置に関するものである(図1)。
従来は、分解能が200nm程度の光学顕微鏡を用いて5μm以上の専用パターンを撮像し、その変位量を計測しているため、実用的な計測精度は3nm程度が限界であった。本発明では、分解能が数nmの走査型電子顕微鏡を用いて製品回路を撮像し、基準となる良品画像と、計測画像を比較する。具体的には図2に示すように、①画像中の孔層・配線層の領域を認識し、②孔層・配線層それぞれ独立に良品画像と計測画像の位置ずれ量を算出し、オーバーレイを算出する。製品回路を直接計測することで、専用パターンを不要とし、計測精度0.3nm以下を実現した。
本装置は、歩留り向上に不可欠なツールとして世界の主要な先端半導体メーカで活用されており、次世代以降の半導体製造プロセスにおいても高精度計測が可能と期待されている。この計測技術は、スマートフォンやサーバなどの情報通信機器や、自動車など、様々な産業分野に用いられる電子
機器の安定生産を支える基盤技術として社会に大きく貢献している。
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