関東経済産業局長賞
IE型トレンチゲートIGBT(特許第6270799号)
【茨城県発明協会】
松浦 仁 |
ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社 技術統括部 パワーデバイス開発部 パワーデバイス第一課 技師 |
中沢 芳人 |
ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社 技術統括部 パワーデバイス開発部 主管技師 |
実 施 功 績 賞
呉 文精 |
ルネサスエレクトロニクス株式会社 代表取締役社長兼CEO |
本発明は、N型ホールバリア層を有する異間隔トレンチIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)において、局所的な電界強度の高まりを抑制しつつ、デバイスの高性能化を実現するための 基本構成に関するものである。
IGBTでは、デバイス主面側への正孔排出を制限してN-層の伝導度変調を促進させる事が、導通損失の低減に有効であるが、従来構造では性能向上に関わるプロセスパラメータをわずかに変更するだけでコレクタ-エミッタ間の耐圧が低下してしまうため、デバイス特性の最適化が難しかった。そこで、トレンチIGBTの幅の狭いストライプ状アクティブ領域にのみ、局所的にN型ホールバリア層を形成しつつ、非アクティブ領域にはトレンチ下端よりも深いP型フローティング領域を存在させる構成と製法を考案した。
本発明によって、各種パラメータを変化させても、局所的電界強度の高まりによる耐圧低下は抑制され、著しい性能の向上に成功した。これによりハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)をはじめとする高耐圧/大電流機器の省電力化に大きく貢献している。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved