中小企業庁長官賞

ポータブル非破壊糖度計（意匠登録第1572703号）

【埼玉県発明協会】

雨宮　秀行	株式会社アタゴ　代表取締役社長
田中　政之介	株式会社アタゴ　開発部　課長
喜入　朋宏	株式会社ミツトヨ　研究開発本部　商品開発部

　本意匠は、果実を傷つけることなく現状のまま非破壊で測定できる糖度計である。電池駆動の携帯モデルとすることで、果実生産者や店頭販売などにおける直接測定や、木に成っている状態で手軽に糖度を測定することが出来る。
　近赤外光は透過性が良いため、糖やその他の成分に応じた波長の吸収度合いからその含有量を推定することが出来る。市場に出回っている非破壊糖度計は、光源にハロゲンランプを使用し、また近赤外スペクトルを得るための分光器を備えているため大型である。本意匠では光源にLEDを採用し、バンドパスフィルタによって分光することで小型化、低消費電力化を実現した。またリング状に配置したLEDの光を効率よく均一に照射する光学設計技術を採用することで測定性能を向上させている。
　非破壊で測定できることにより、果実を傷つけることなく全数検査が可能となり、商品価値を維持できるようになった。また低価格化により、なかなか購入に踏み切れなかった顧客も比較的容易に購入することができるようになった。