特許庁長官賞
甘くて白い秋田オリジナル麴の開発(特許第5803009号)
[秋田県発明協会]
小笠原 博信 |
秋田県総合食品研究センター 企画管理室 企画マーケティング班 上席研究員 |
橋 仁 |
秋田県総合食品研究センター 所長 |
今野 宏 |
株式会社秋田今野商店 代表取締役社長 |
佐藤 勉 |
株式会社秋田今野商店 生産・技術部長 |
本発明は、「グルコアミラーゼ(GA)活性が高く甘さが強いが、アミノ酸度が低くスッキリした味わいで、チロシナーゼ活性が低く着色しにくい」という従来育種では困難であった特徴を有する新規麴菌株である。
吟醸酒や甘酒等の食品加工に利用される甘味が強い米麴は褐変性も高くなる傾向にある。商品の高品質化を目指す醸造業界では、高GA活性と低チロシナーゼ活性の両方の特徴を併せ持つ麴菌株の開発は長年の要望であった。発明者らは麴菌が本来持つトランスポゾンと呼ばれる「動く遺伝子」の活性を利用する新育種法を開発し、親株と僅かに特性が違っている多数の実用株の取得を可能とした。その中から新規麴菌CK33株およびTK12株の開発に成功した。
県では秋田オリジナル麴CK33株による麴に愛称とロゴマークを冠し、プロモーションを推進した結果、新しいタイプの甘酒や水産加工品、菓子・パン、さらには化粧品等でも新商品の開発と販売がなされている。今後も秋田県発の発酵食品PRに大きな原動力として期待される。
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