発明協会会長賞
小判型コンクリート杭による地盤改良工法(特許第6104444号)
[大分県発明協会]
池永 征司 |
株式会社池永セメント工業所 代表取締役社長 |
本発明は、住宅向けの地盤補強工法に使用するコンクリート杭の形状及び施工方法についての技術である。
住宅を建てる際にその地盤が良好でなく沈下の恐れがある場合、地盤補強工事を行うことが一般的になってきているが、普及している工法は環境面・コスト・信頼性について課題がある。それに対し、工場製コンクリート杭工法は比較優位であるが、製法による問題があり一般に普及していない。これを打破すべく、形状(製法)・工法の開発を行った。
工場製コンクリート杭製品は、遠心成型・プレストレスト製法・一般成型製法があるが、①専用設備が必要で高コスト、②真円形状は先行掘りの孔のエアー・地下水が抜けない、③多角形は先行孔が真円な為、隙間ができ施工精度・支持力等に影響を及ぼす、などといった問題を抱えている。専用設備が不要で低コストに製造できる一般成型製法において、先行掘りの孔との関係が良好となる形状として「小判型形状コンクリート杭」を開発した。
これは断面から見て真円の上下を水平にカットしたもので、これにより①コンクリート打ち込み面の確保(製造の容易性)、②上下水平による段重ねの容易性、③先行孔との隙間からエアー・地下水が抜け孔壁崩壊を防ぐ、④大部分は先行孔と同一形状なので施工精度が良好で密着して摩擦力も期待できる、という効果を得ることができた。
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