特許庁長官賞
低被ばくと高画質を両立する動画処理技術(特許第6002324号)
【発明協会(東京)】
高野橋 健太 |
株式会社日立製作所 研究開発グループ テクノロジーイノベーション統括本部 システムイノベーションセンタ メディア研究部 研究員 |
荻野 昌宏 |
株式会社日立製作所 研究開発グループ テクノロジーイノベーション統括本部 ヘルスケアイノベーションセンタ メディカルシステム研究部 主任研究員 |
実 施 功 績 賞
東原 敏昭 |
株式会社日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEO |
本発明は、体内に挿入したカテーテルやガイドワイヤなどの処置器具の様子を、X線を用いて動画でリアルタイムに描出する医療用透視診断装置(図1)において、低被ばく条件下でも、ノイズや残像の少ない高画質な動画を生成することを可能にする映像処理技術である。
従来の透視診断装置では、患者や医療従事者の被ばくを抑制するためにX線の照射量を減らすと画像のノイズが増加し、ノイズ低減処理を適用すると動いている物体に残像が発生していた。このため、直径0.63mmなどの細い処置器具の動きが見えにくくなり検査や治療が行いにくいという課題があった。本発明は、映像内の物体の動きを解析して、映像を動きに追従する領域と追従しない領域に分割し、それぞれの領域に対して適切な特性のフィルタを適用することで、残像の発生を抑制しつつ画像ノイズを強力に低減した高画質な動画を生成することを可能とした(図2)。
本発明により、処置器具の動きが見えやすくなり、検査や治療の際の医療従事者の負担を軽減することが可能となった。また、X線感受性が高いために適用が難しかった小児に対しても、透視診断装置を活用できるようになった。
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