特許庁長官賞
VOCとCO2を同時削減する新塗装技術(特許第5493814号)
【広島県発明協会】
和泉 昭雄 |
マツダ株式会社 技術本部 車両技術部 塗装技術グループ |
藤井 嘉治 |
マツダ株式会社 技術本部 車両技術部 車両先行技術グループ |
実 施 功 績 賞
小飼 雅道 |
マツダ株式会社 代表取締役 社長兼CEO |
本発明は、VOC(揮発性有機化合物)・CO2排出量を大幅削減する環境に優しい新水性塗装システム『アクアテック塗装』(一般的な水性塗装は、VOC排出が少なく、CO2排出が大きい)にて、塗装ブース内の空調制御でエネルギ消費を低減し、CO2を削減するものである。
塗料中の水分の蒸発速度を一定にするために、図1に示すように飽和空気線に対応する目標温湿度ラインLを設定し、外気の温湿度がP1の場合、等エンタルピーライン上にある交差点Q1を空調空気の目標温湿度としている。しかし、空調空気の温湿度がQ1となるように断熱加湿を行っても、例えば加湿用水の温度によって、実温湿度が等エンタルピーラインの上方/下方に外れる場合がある。特に省エネの要求で加湿機/加温機のみで冷却機/除湿機を設けない場合、上方に外れると制御不能になる。本発明では、図1鎖線のように上方に外れた場合、機器の駆動量が最少で収束するように目標温湿度Q1をラインL上と鎖線が交差する方向に補正する。また、図2のように下方に外れた場合、Q1の絶対湿度(X1)まで加湿した後、加温機でQ1の温度まで上昇させることで目標値Q1に収束させ、更に機器の駆動量が最少となるように目標温湿度をラインL上でQ1’方向に補正する。いずれの場合も、機器の駆動量を抑制しながら、目標温湿度に制御できるため、エネルギ消費を低減できる。
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