文部科学大臣賞
炭素繊維強化ポリプロピレン射出成形材料(特許第5434693号)
【愛媛県発明協会】
三辻 祐樹 |
東レ株式会社 複合材料研究所 名古屋駐在 研究員 |
本間 雅登 |
東レ株式会社 複合材料研究所 研究主幹 |
角倉 浩平 |
東レ株式会社 品質保証課 部員 |
実 施 功 績 賞
日覺 昭廣 |
東レ株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、プロピレン系樹脂および炭素繊維を含む射出成形材料に関するものである。軽量性および衝撃強度に優れ、自動車部品や家電用途など多岐に渡り好適に使用できる。
従来、炭素繊維とプロピレン系樹脂の界面接着性が極めて低く、衝撃破断時に界面剥離により破壊進行し、衝撃強度が低いものであった(図1A)。本発明は、カルボン酸などの官能基を導入したプロピレン系樹脂と多官能化合物でサイジング処理された炭素繊維を組み合わせることで飛躍的に界面接着性を向上し、さらに界面接着性を妨げず繊維分散性を高めるために、プロピレン系樹脂よりも溶融粘度が低い特定のテルペン系樹脂を含有するものである。
これによりプロピレン系樹脂と炭素繊維の界面が高接着(図1B)され、衝撃強度が2倍向上でき(図2)、射出成形時の炭素繊維の分散性も良好なことから、様々な形状に射出成形でき、多岐に渡る用途に好適に使用できる。
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