近畿経済産業局長賞
未知モータを始動可能な汎用インバータ(特許第5611466号)
【兵庫県発明協会】
伊藤 正人 |
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 モータ駆動システム技術部 駆動制御グループ 主席研究員 |
諸星 俊夫 |
三菱電機株式会社 名古屋製作所 インバータシステム部 インバータシステム開発課長 |
実 施 功 績 賞
柵山 正樹 |
三菱電機株式会社 執行役社長 |
本発明は、回転センサを持たない永久磁石を有するモータをスムーズに始動する際、パルス電圧を印加して行う磁極位置検出において、定数等が未知のモータに対して、適した電圧パルス幅(パルス電圧の印加時間)を自動で調整する技術に関するものである。
永久磁石モータの回転子磁極位置の検出においては、各相巻線にパルス電圧を印加して発生する電流の大きさが、永久磁石磁束による磁気飽和の影響で変化するのを利用する。この際に使用する電圧パルス幅はモータにより最適値が異なり、事前に実験による調整が必要なため、この調整を実施していない未知のモータをスムーズに始動することが出来なかった。本発明では、未知のモータとの組合せ時に、従来は一定であった電圧パルス幅を、初期値から徐々に増加させてモータに印加し、発生する電流の大きさと変化量が規定値に達したときの電圧パルス幅を記憶して調整を終了する。
本発明により、初回始動時に最適な電圧パルス幅が自動的にインバータ内部に設定され、次回始動時には記憶された電圧パルス幅により適切な磁極検出が行われる。これにより、事前の調整を行うことなく未知のモータをスムーズに始動することが可能となった。
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