特許庁長官賞
高生産性・高耐熱性の新規乳酸生成菌株(特許第5006986号)
【北海道発明協会】
三輪 一典 |
アテリオ・バイオ株式会社 代表取締役社長 |
南田 公子 |
アテリオ・バイオ株式会社 取締役主任研究員 |
本発明は、芽胞形成能を持つ乳酸生成菌バチルス・コアグランスの新株に関する微生物特許である。この新株の特徴は従来品に比べて生産性が高く、生育至適温度が高いことで、これによってオカラを乾燥助剤とする加熱乾燥が可能となり、製造コストが大幅に低減し、品質が向上した。
一般の乳酸菌製剤の製造法では、乳糖などを保護剤として用いた真空凍結乾燥法などが常法になっていて、高コストである上に乳糖などの好ましくない成分を含むという問題があった。当社では、乳酸菌とオカラを同時に加熱乾燥して完全植物性の乳酸菌製剤を開発することを目的に、高耐熱性、高生産性の乳酸生成菌を探したところ、ライラックの花から高い耐熱性と芽胞形成能を持つ乳酸生成菌バチルス・コアグランスの新株を単離することに成功した。
本発明によって、簡便な工程による完全植物性の乳酸菌製剤の製造が可能となり、生産性が向上してコスト競争力が高まった。乳糖などの保護剤を必要としないために、乳糖不耐で摂取すると下痢を呈する人にも適応できる製品が実現できた。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved