中小企業庁長官賞

窒素を用いた酸化抑制凍結システム（特許第5808186号）

【北海道発明協会】

若山　敏次

株式会社昭和冷凍プラント　代表取締役

　本発明は、凍結設備において冷却される閉鎖空間を真空ポンプにより真空状態にして水分を除去し、窒素ガス注入装置により空間を窒素ガスで充満させ、食品が窒素ガスでコーティングされたところを凍結するシステムである。
　気体がほぼ窒素ガスの状態で凍結することにより、通常の空気中で凍結を行った場合に比べて冷凍食品の鮮度低下を抑制する効果が得られる。これは、凍結した食品中に含まれる気体が酸素ではなく窒素となることにより、凍結後の冷凍保存中の酸化が抑制されるためである｡また、閉鎖空間の空気を窒素ガスに置換することにより、空気中で凍結する場合に比べて凍結時間が約２５％短縮されるため、より鮮度の高い状態での凍結が実現される。
　極めて鮮度維持効果が高い手法であり、冷凍食品に付加価値を与え消費効果を増大させることができる。また、凍結時間短縮の効果もあることから、鮮度維持のさらなる向上に加え、省エネルギ―にも寄与することができる。