日本弁理士会会長賞
木炭を活用した生活雑排水の処理装置(特許第5762134号)
【北海道発明協会】
橘井 敏弘 |
正和電工株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、し尿を含まない生活排水を対象とした浄化技術である。原理としては、沈殿作用による物理的な固液分離、木炭(備長炭)による物理化学的浄化、更には木炭(備長炭)に付着する生物膜が有機物を分解する生物的浄化の作用を総合的に受ける事により生活排水は雨水状態まで浄化できる。
本浄化装置の特徴は、木炭の接触時間を長くする為の工夫として上向流型の水路を備えているほか、微生物処理を行うために必要な酸素供給がこの水路全面に行き渡るよう空気管を備えることで木炭(備長炭)に断続的に空気を送るばっ気方式にある。これらの作用を総合的に受けることにより BOD 等の有機物汚濁とT_N、T_Pの栄養塩類の浄化が同時に行える。生活排水を「し尿」と他の「雑排水」に「分けて処理する」事で雑排水は比較的容易に浄化され、し尿に起因する大腸菌や沈殿物も少なく、処理水には大腸菌対策も不要となっている。
本浄化装置の実施効果は、設置後のメンテナンスは比較的容易で特別な資格を必要としない。価格も低価格で、木炭(備長炭)の交換も必要なく、処理装置内部に溜る残渣物も少ない。本装置から排出された処理水は雨水状態にまできれいになるため、処理水の再利用が比較的容易になる。本装置は環境省が実施しているETV環境技術実証番号020_1201で公表されている。
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