中国経済産業局長賞
高効率とダイレクト感を両立する新型AT(特許第5605078号)
【広島県発明協会】
坂 時存 |
マツダ株式会社 ドライブトレイン開発部 第1ドライブトレイン開発グループ アシスタントマネージャー |
岩下 典生 |
マツダ株式会社 ドライブトレイン開発部 第1ドライブトレイン開発グループ アシスタントマネージャー |
石山 貴士 |
マツダ株式会社 ドライブトレイン開発部 第1ドライブトレイン開発グループ アシスタントマネージャー |
前田 英俊 |
株式会社マツダE&T PT設計部 研究開発員 |
実 施 功 績 賞
小飼 雅道 |
マツダ株式会社 代表取締役 社長兼CEO |
本発明は、小型FF車向け自動変速機「SKYACTIV-Drive」における環境性能とダイレクト感を両立する技術として、発進時トルクコンバータ(流体伝達)を使用し、発進直後からはトルクコンバータのロスを抑えるフルレンジロックアップ機構を有するものである。
ロックアップ領域拡大時に課題となる静粛性対応のため、車両システム全体でのCAEによりダンパを46%低剛性化すると共に、円滑なロックアップ状態実現のためクラッチを湿式多板化した。この技術をFF車に適用するため、トルクコンバータ内のダンパをトーラス(羽根部分)外径側に、またクラッチをトーラス内径側に配置し軸方向にオーバラップさせた上、トルク伝達機能を発進時に限定することで羽根部分を小型化し、トルクコンバータ及びトランスミッションのコンパクト化を図った。
トルクコンバータの力強い発進に加え湿式多板クラッチによる円滑なロックアップへの移行と低剛性ダンパによるロックアップ領域拡大によってJC08モード走行中のロックアップ領域が従来5ATと比較して約49%から82%となり、4〜7%の燃費改善とマニュアル車のようなダイレクト感を実現した。
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