発明協会会長奨励賞

ホップポリフェノールを増強したビール（特許第5423979号）

【秋田県発明協会】

進藤　昌	秋田県総合食品研究センター　食品加工研究所バイオリファイナリーグループ　上席研究員

本発明は、ビール原料のホップに含まれるポリフェノールが、人間のコラーゲンを分解するコラゲナーゼという酵素の活性を阻害することを見出したものである。さらに、効果のあるホップポリフェノール濃度の高いビールの製造方法を開発したものである。
一般に麦汁を製造する工程において、ホップを入れて煮沸するとポリフェノールが沈殿するため、ビール中のホップポリフェノール濃度は低い。ビールの苦味成分は、ホップを煮沸する際に生成するため、ホップの煮沸は不可欠である。
そこで、苦み成分の生成とホップポリフェノールの沈殿を防ぐために、苦味成分生成のためにホップの一部を煮沸時に添加し、煮沸終了後にホップポリフェノール抽出のために残りのホップを添加することにより苦味成分の生成とホップポリフェノール濃度を高くする技術を開発した。
本方法で醸造されたビールは、通常の方法で製造されたビールに比較してコラーゲンの分解を抑えることができる。

特許技術で製造されているビール