特許庁長官奨励賞
低オン抵抗・高耐圧トランジスタ(特許第4749665号)
【京都発明協会】
吉持 賢一 |
ローム株式会社 ディスクリート・モジュール生産本部 トランジスタ製造部 商品開発一課 係長 |
実 施 功 績 賞
澤村 諭 |
ローム株式会社 代表取締役社長 |
この発明は、オン抵抗の低減を図りつつ、同時に破壊耐量を向上できる半導体素子を提供するものである。
従来、スイッチオフ時のサージ電流が流れることで機能素子が破壊されるのを防止するため、機能素子領域にサージ電流を選択的に流すための複数のダイオードセル(低抵抗領域)を設けた構成やセル内のダイオード領域を大きく設計した構成が提案されていたが、電流が特定のダイオードセルに局所的に集中することで起こる破壊や、数多く設けたダイオードセルによって機能素子領域が少なくなり、素子のオン抵抗が高くなるなどの問題点があった。
そこで、本発明ではこの機能素子を取り囲むように形成されたダイオード領域(低抵抗領域)を形成することにより課題を解決した。
これによりサージ電流は機能素子ではなくダイオード領域を流れるので、従来の構成のように電流が特定のダイオードセルに局所的に集中することなく、広い領域に分散されるため破壊耐量を向上できる。
また、この構成により従来必要であったダイオードセルを大きくした設計が不要になることから、単位面積あたりに多くの機能素子を形成できるので、オン抵抗を低減できる。
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