中国経済産業局長賞
形状保持バリアフリー高齢者・介護用食品(特許第4947630号)
【広島県発明協会】
坂本 宏司 |
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 次長 兼 技術支援部長 |
柴田 賢哉 |
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 凍結含浸本格普及プロジェクトチーム 副主任研究員 |
倉本 理子 |
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 技術支援部 副主任研究員 |
中曽 沙弥香 |
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 凍結含浸本格普及プロジェクトチーム 副主任研究員 |
本発明は、食材内に酵素等を急速導入し、細胞壁間隙物質を分解することで、形状保持型の軟化介護食を世界で初めて実用化した。さらに、本技術を工業生産のみならず、病院等の厨房でも簡易に調理できる技術に高めた。
介護食には、安全性、栄養状態の維持機能に加え、QOL(生活の質)に配慮された機能が求められる。発明者らは、凍結・解凍した食材を酵素液中で減圧処理し、食材を急速膨張させると、収縮時に酵素が食材内に急速導入される現象を発見し、この方法を凍結含浸法と命名した。本法を利用して形状保持型の介護食を工業生産する技術を開発するとともに、真空調理との融合を行い、病院・介護現場への技術導入を図った。
本発明により製造された介護食は、通常の食事と同じ外観を有しており、「食べる楽しみ」を回復する効果を有する。その結果、喫食率が向上し、身体の維持に必要な栄養成分を摂取できるだけでなく、食事も短時間で済むことから、介護者の負担軽減にも寄与している。
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