文部科学大臣発明奨励賞
新規統合失調症治療薬(特許第2893175号)
【大阪発明協会】
大城 靖男 |
大塚製薬株式会社 知的財産部 顧問 |
佐藤 誠司 |
大塚製薬株式会社 探索第一研究所合成室 主任研究員 |
倉橋 伸幸 |
大塚アメリカファーマシューティカルインク(出向)Global CNS business Vice President |
実 施 功 績 賞
岩本 太郎 |
大塚製薬株式会社 代表取締役社長 |
統合失調症は、陽性及び陰性症状を特徴とする治療困難な精神病である。本発明は、従来の薬剤に比べて治療効果、安全性の高い新規化合物、アリピプラゾール(一般名)を有効成分とする統合失調症治療薬に関する。
既存薬の殆どがドパミン(DA)のD2受容体アンタゴニストであるのに対し、本発明化合物は従来にないD2受容体部分アゴニストである。DA神経系が過剰に活動する(陽性症状)場合にはアンタゴニストとして、DA神経系の活動が低い(陰性症状)場合にはアゴニストとして神経伝達を調節し、統合失調症治療に重要な両症状を改善する。更に、錐体外路系作用、体重増加等の副作用も少ないという特徴を有する。
本化合物は、日本発の新規作用機序を有する第三世代の統合失調症薬とされている。本成分からなる薬剤は、世界の各種ガイドラインにおいて、統合失調症や双極性障害の躁症状の治療の第一選択薬として推奨されており、これまでに70ヵ国以上で発売されている。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved