特許庁長官奨励賞
新規血糖センサ用酵素の発明(特許第4348563号)
【大阪発明協会】
川南 裕 |
東洋紡株式会社 総合研究所バイオ技術・事業開発グループ 研究所員 |
辻 裕二 |
東洋紡株式会社 敦賀バイオ工場製造部 課長 |
北林 雅夫 |
東洋紡株式会社 バイオケミカル事業部 部員 |
西矢 芳昭 |
学校法人常翔学園摂南大学 理工学部生命科学科特殊環境微生物学研究室 教授(元 東洋紡績株式会社敦賀バイオ研究所・グループリーダー) |
実 施 功 績 賞
坂元 龍三 |
東洋紡株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、グルコース以外の糖類に作用することなく、常に正確な血糖値を測定することができる、新規な血糖センサ用酵素であるフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD-GDH)に関するものである。
血糖センサは糖尿病患者が血糖値を管理するための機器である。酵素は血糖センサの性能を決める主成分である。従来の酵素は正確性や安定性に課題があったため、医療事故につながる危険性があった。
本発明は、遺伝子工学的技術を用いることで高い基質特異性と安定性の両立を達成している。本発明の遺伝子給源は日本人が古くから利用してきた麹菌であり、培養条件を適正化することで生産性を飛躍的に高めることに成功している。
本発明を利用した血糖センサは、点滴等で加えられる可能性があるマルトース等の成分に作用せず、従来よりもグルコース濃度を正確に測定できるので、医療診断の向上に貢献している。
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