発明の概要について教えてください

本発明は、人体の生体信号を測定する心電図電極などに用いられる体動に追従しながら、生体の電気信号を精密に受渡しできる導電性高分子ゲル体に関するものです。
このゲル体は、非電解質高分子骨格からなり、電解質塩、湿潤剤を任意に調整できるため、微弱な生体信号と反発せず安定に電気信号を伝える事ができるとともに導電性、粘着性、乾燥性が制御できるため、長時間の精密心電位の測定や低周波治療器用電極、電気メス手術時に使用する対極板などの医療分野や工業用センサーにも応用されています。

苦労した点はどこでしょうか

この技術を実用化するに当たって、ゲル体を医療用の生体電極などの末端製品化する事が必要でした。
医療現場で起きる様々な事象は、言葉すら理解できない程、これまで知識がなく、評価法も試行錯誤の連続でした。
医療用途で求められる徹底的に肌に優しい素材にするため、ゲル中の反応不純物を大幅に低減し、粘着力を自在に変えることや配合の自在性で、安全性が高く、体動に追従しながら、長時間の精密診断でも電気性能が変わらず、様々な事象に耐性を持ったゲル体の開発を行いました。

受賞のご感想をお願いします

この様な名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
この技術を発明した当時は、まだまだ手作りの感がありましたが、上司、仲間に恵まれ、次々に機能化され、新たな可能性が生み出され、医療用電極やヘルスケア用途などに実用化されました。
その間、継続的に多大な御支援、御指導をいただきました社長はじめ上司の皆様、ここに深甚の謝意と敬意を表します。
実用化に向け膨大な頑張りと御助力をいただきました開発部門、設備部門、生産部門、営業部門、ＭＥメーカーの皆様、深く感謝の意を表します。